電子機器の急速な高性能化に伴い半導体素子からの発熱密度が増加し続けており,除熱性能を飛躍的に向上するため,相変化型冷却器が導入されつつある.冷媒は熱輸量が大きい,沸騰熱伝達率が高いなど,作動流体としての利点が多い.本論では自然循環式冷却器を用い,作動流体にR1234ze(E),R1234ze(Z)を用いた場合の性能を実験的に評価した.R1234ze(E),R1234ze(Z)の安全作動領域をそれぞれ,1250,1110 kWm-2まで拡大出来る事を示した.以上に対し,レーザ加工を施した沸騰伝熱面を使用することによって,安全作動領域をさらに1400,1350 kWm-2へ拡大出来る事を実証した.
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