研究課題
既存の医薬品や医療機器では効果の乏しい難治性疾患に対して、再生医療による治療が期待されている。われわれは、今までに食道粘膜上皮再生に取り組み、ヒト幹細胞指針のもと、臨床応用まで到達した(承認番号:12090375)。体性幹細胞培養技術の確立は達成できたが、高度炎症を伴う難治性狭窄に対しては未だ有効な治療法がなく、高度炎症を伴う難治性食道狭窄を克服する技術開発で必要である。我々はケロイド瘢痕形成に関与するIL10に注目し、IL10KOマウスを用いた食道瘢痕化類似モデルでの実験を行った。まず、食道潰瘍モデルを作成し、穿孔せずに瘢痕形成を来すモデルを作成した。その結果通常のマウスと比較し、IL10KOマウスでは潰瘍後壁肥厚が強く炎症が残存しており継時的な変化を確認している。また、IL10KOマウスは引き起こす慢性炎症のため体重減少を来していた。これは、長期的な瘢痕形成にIL10が深く関与していることを示しており、重要なサイトカインであることが証明された。(論文投稿準備中)さらに詳細な機序を解明するため、組織片を次世代シーケンサーを用いたRNA-seqでの解析をしており、現在、瘢痕形成に関わるIL10の役割を証明すべくin vitro、in vivo追加実験を継続中である。また、IL10導入細胞の作成に関しても現在細胞培養、大腸菌培養を行い、CRISPR-Cas9法で導入条件を見直しており、現在条件設定中である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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