培養上皮細胞シートを用いた内視鏡治療後食道狭窄予防は臨床応用可能な技術を確立したが、腐食性食道炎や放射線化学療法後などの高度炎症環境下では治療効果が期待できない。よって、本研究の目的は、消化管創傷治癒における上皮細胞挙動と抗炎症性サイトカインの関連性を解明することである。8週齢のControlマウスおよびIL-10KOマウスを用いて、化学的粘膜欠損モデルでの継時的組織学的解析を行なった。IL-10KOマウスでは継時的に瘢痕が増強しており、体重減少も認められた。IL-10は特に瘢痕期にかけて作用していることが示唆された。現在詳細な検討を行うべく組織学的解析を継続している。
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