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2016 年度 実績報告書

βラクタム系抗生物質とチオール反応産物に関する基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H06509
研究機関熊本大学

研究代表者

小野 勝彦  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80573592)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワードβラクタム系抗生物 / チオール化合物 / システイン
研究実績の概要

最近、βラクタム系抗生物質がシステインなどのチオール化合物の存在下で抗菌活性を失うことを見出した。本研究では、βラクタム系抗生物質とチオール化合物との反応を解析し、その抗菌剤感受性の制御に与える影響を明らかにすることを目的とした。システインとβラクタム系抗生物質の一種であるアンピシリン、メロペネムとの反応産物を同定し、その化学構造を質量分析と構造解析により調べた。その結果、システインとβラクタム系抗生物質は、システインのアミノ基とβラクタム系抗生物質のβラクタム環を介して1:1付加体を形成していることが明らかとなった。このことは質量分析により得られた知見と一致している。
質量分析器を用いた解析から、βラクタム系抗生物質を処理した大腸菌からシステイン-βラクタム付加体が検出されることが分かった。このことから、本反応は細菌内でも起こり得ることが強く示唆される。
システインとβラクタム系抗生物質との付加体形成の生物学的意義の解明のために、細菌のシステイン輸送に着目した。大腸菌はシステインをペリプラズムへ積極的に輸送することにより、外環境からの酸化ストレスから菌体を守っていると考えられている。そこで、このシステイン輸送機構と抗菌剤感受性との関係性を明らかにするために、システイン輸送関連遺伝子であるfliYとydeD欠損株のβラクタム感受性を調べた。その結果、fliY欠損株では野生型に比べβラクタム感受性が高くなることが分かった。以上のことから、ペリプラズムのシステインがβラクタム系抗生物質と反応し、不活化することで、細菌の抗菌剤耐性に寄与していること示唆された。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of L-cysteine derivatives containing stable sulfur isotopes and application of this synthesis to reactive sulfur metabolome.2017

    • 著者名/発表者名
      Ono K, Jung M, Zhang T, Tsutsuki H, Sezaki H, Ihara H, Wei FY, Tomizawa K, Akaike T, Sawa T.
    • 雑誌名

      Free Radic. Biol. Med.

      巻: 106 ページ: 69-79

    • DOI

      10.1016/j.freeradbiomed.2017.02.023

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Silver Nanoparticles as Potential Antibiofilm Agents Against Human Pathogenic Bacteria.2017

    • 著者名/発表者名
      Kyaw K, Harada A, Ichimaru H, Kawagoe T, Yahiro K, Morimura S, Ono K, Tsutsuki H, Sawa T, Niidome T
    • 雑誌名

      Chemistry Letters.

      巻: 46 ページ: 594-596

    • DOI

      10.1246/cl.161198

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis and Characterization of 8-Nitroguanosine 3',5'-Cyclic Monophosphorothioate Rp-isomer as a Potent Inhibitor of Protein Kinase G1α.2016

    • 著者名/発表者名
      Ahmed KA, Zhang T, Ono K, Tsutsuki H, Ida T, Akashi S, Miyata K, Oike Y, Akaike T, Sawa T.
    • 雑誌名

      Biol Pharm Bull.

      巻: 40 ページ: 365-374

    • DOI

      10.1248/bpb.b16-00880

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Protein polysulfidation-dependent persulfide dioxygenase activity of ethylmalonic encephalopathy protein 1.2016

    • 著者名/発表者名
      Jung, M., Kasamatsu, S., Matsunaga, T., Akashi, S., Nishimura, A., Ono, K., Morita, M., Hamid, H. A., Fujii, S., Kitamura, H., Sawa, T., Ida, T., Motohashi, H., Akaike, T.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 480 ページ: 180-186

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2016.10.022

    • 査読あり
  • [学会発表] チオール基とβラクタム系抗生物質の反応性に基づく新規βラクタム-タンパク質付加体形性の同定とその生物学的意義の解明2017

    • 著者名/発表者名
      小野勝彦、津々木博康、張田力、瀬崎浩史、赤池孝章、澤智裕
    • 学会等名
      第90回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2017-03-19 – 2017-03-21
  • [学会発表] Rp-ニトロcGMPによるS-グアニル化を介したプロテインキナーゼG(PKG)の活性阻害2016

    • 著者名/発表者名
      小野 勝彦、Ahtesham Ahmed Khandarker、津々木 博康、張 田力、井田 智章、宮田 敬士、尾池 雄一、赤池 孝章、澤 智裕
    • 学会等名
      第69回日本酸化ストレス学会学術集会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2016-08-30 – 2016-08-31
  • [備考] 熊本大学微生物学分野

    • URL

      http://kumadai-bisei.com

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公開日: 2018-01-16  

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