本研究は、患者の攻撃性への看護師の対処について、その教育範囲と構成要素を同定することを目的としている。 平成28年度は、患者の攻撃性への看護師の対処について、看護師の視点から現在の課題の明確化を図ること、ならびに患者の攻撃性への看護師の対処について、実践能力の構成要素を同定することを目的とし、当初の計画に従いインタビュー調査を継続して実施し、インタビューデータの質的分析を行った。本年度は、特に対象者の多様化を意識した協力依頼を行った結果、看護職以外の医療安全に関わる多様な職種の視点を確保することができた。質的分析より、本邦における現在の看護基礎教育および臨床実践における課題およびその課題を解決するための教育の要素を抽出し、看護基礎教育ならびに臨床の医療安全におけるエキスパートとこれらの要素の妥当性について検証し、患者の攻撃性への看護師の対処に関する教育の範囲と構成要素を同定した。 研究成果の一部を、商業誌への投稿および国際学会(20th East Asian Forum If Nursing Scolars)での発表を行い看護研究者やケア実践者と共有するとともに、ホームページを開設し研究成果の公表を行い、研究成果への容易なアクセスを可能とした。 今後、当初のビジョンに基づき、本研究成果をふまえた教育内容・方法の精選段階へと研究を展開する(文部科学省科学研究費若手研究B「臨床看護師の攻撃性対処能力育成のための教育プログラムの構築」平成29年度~平成30年度予定)。
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