研究課題/領域番号 |
15H06538
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
上田 佳朋 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30758420)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | 脳内(内包)出血モデル / 麻痺側集中使用リハビリテーション法(CIMT法) / モチベーション / 中脳皮質ドパミン系 / 二重ウイルス感染法 |
研究実績の概要 |
脳内出血モデルラットに対して麻痺側集中使用リハビリテーション法(CIMT法)を行い、運動機能的、組織学的、分子生物学的、電気生理学的な回復効果を見出してきた。本研究ではモチベーションに関係している「腹側被蓋野-一次運動野経路」が「脳出血後のCIMTによる機能回復」にどの程度関与しているか検討することを目的とした。 これまでに、文献(Kinoshita M, et al, 2012) を参考に、健常Wistar雄ラットに対して、ウイルスベクターの注入実験を開始し、当研究室での二重ウイルス感染法の手技を確立することに注力した。具体的には、生理学研究所伊佐研究室からの技術移転、実験セットアップの確立、ウイルス注入法の確立とその実施である。逆行性のウイルスベクター(NeuRet-TRE-EGFP.eTeNT)をM1領域8か所に、順行性のウイルスベクター(AAV1-CaMKII-rtTAV16)をVTAに注入し、ドキシサイクリン(DOX)投与を行うことで、経路を遮断する実験を行った。これまでに正確な位置に注入が行われていることが確認できた。現在は、免疫染色法等による感染の確認、ニッスル染色による感染後の障害の確認を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
技術移転を行ってウイルスを使用した実験を当研究室で開始するにあたり、申請手続きに時間を要したが、実際にウイルスを注入する実験をこれまでに開始できている。現在は実際に感染が起こっていることを確認するため、免疫染色を試みている。内包出血の作製手法および麻痺側強制使用による出血後リハビリテーション手技については既に確立しているため、この部分がボトルネックになることはないと考えられる。申請書の記載内容に照らせば実験の段階としてはやや遅れがあるが、現在行っているウイルス二重感染法が確立されれば、速やかに内包出血後のリハビリテーションのおけるVTA-M1経路の関与の有無、程度が確認できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの部分はトラブルなく遂行できており、今後の研究計画に変更はない。まずは実際に感染が起こっていることの確認を綿密に行う(免疫染色、in situ hybridization)。次に二重ウイルス感染法を施した動物に対し内包出血を起こし、その後経路を遮断して麻痺側集中使用を行う。その後、効果を行動評価および電気生理学的実験(皮質内微小刺激, ICMS)により明らかにする。
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