研究課題/領域番号 |
15H06540
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
樋口 裕城 名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (60757269)
|
研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
キーワード | 開発経済学 |
研究実績の概要 |
途上国における貧困の問題を解決するためには、安定した雇用を創出することが重要であり、そのために現地の中小企業の果たす役割は大きい。途上国の経営者を育て、現地の中小企業を発展させることで、多くの安定した雇用を生み出すことが可能となる。しかしながら、途上国の中小企業の発展のメカニズムについては、まだまだ明らかにされていない点が多い。途上国の中小企業の分析を困難にしている要因の一つは、利用可能な良質なミクロデータが限られていることである。 本研究では、応募者がこれまでに調査してきたベトナムの産業集積地に立地する中小企業を再調査することでパネルデータ(同一の企業を異なる時点で複数回調査して集めたデータ)を構築し、構築したパネルデータを最新鋭の計量経済学の手法を用いて分析することで、途上国の中小企業の発展のメカニズムについての知見を深めることを目的とする。 本研究の研究成果として執筆した論文の1本である「Sustained Impacts of Kaizen Training」が、Journal of Economic Behavior and Organizationという経済学において国際的に権威の高い雑誌に掲載された。さらには、前述の論文の分析には用いなかったデータとそのデータを用いての分析アイデアもいくつかあるため、今後はデータの分析を進めて、論文を執筆していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文の1本が学術雑誌に掲載されるとともに、2015年度は本研究に関連して以下の6件の学会・セミナー発表を行った。 2015年7月:名古屋市立大学セミナー発表(名古屋)、2015年8月:Singapore Economic Review Conference 2015(シンガポール)、2015年10月:日本経済学会秋季大会(東京)、2016年2月:アジア経済研究所セミナー発表(千葉)、2016年2月:JICA研究所セミナー発表(東京)、2016年3月:名古屋市立大学セミナー発表(名古屋)。
|
今後の研究の推進方策 |
まだ分析していないデータとそのデータを用いての分析アイデアがいくつかあるため、今後はデータの分析を進めて、論文を執筆していく予定である。そして、開発経済学の中で国際的な権威のある学術雑誌への投稿を目指す。
|