本研究は、条里地割の集落空間について、生産者と農地の関係に着目し、歴史的な経過を踏まえ、空間形成のしくみを明らかにすること、さらに地域空間を良好に維持・管理していく方策を探ることを目的とする。 栗東市と越前市で調査を行った。その結果、水系に沿った農地の分布と「農地の分散」が共通する特徴として見られた。栗東市宅屋では、核となる農家による地域的な棲み分けが行われており、開発の経緯との関わりがあることが明らかとなった。農地を良好に保全していくためには、生産空間の管理運営をコーディネートする営農組織の役割や農業者目線でのエリアマネージメント、地域全体でのルールづくりが大切であることが明らかとなった。
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