日本や欧米で養殖不可能な「ラックカイガラムシ」の分泌する樹脂「ラック」とその色素について、研究代表者はインドをはじめとする生産国などで調査を行い、虫の生態、寄生木、養殖、加工、利用方法などの基礎情報を得たと同時に、現時点でラックの安定供給のための対策が急務であると理解した。各地で得られた情報に基づき、実験、試作、分析を行い、ラック関係者やインドの専門家を招聘しての講演会やワークショップを開催しての情報交換を行うとともに、一般へ向けての情報公開を行った。これをきっかけとしてラック研究会を設立、国内外のネットワークが構築され、ラックの将来的な生産継続のための国際協力体制の足がかりができたと考える。
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