本研究は、世界の産業や貿易構造に着目した二酸化炭素排出評価に関する研究として、サプライチェーンを考慮した環境マネジメントシステムの構築に向けて炭素クラスターの検出を定量的に行うことを目的とした。初年度は、価格変動を考慮して時系列分析をするために、国際産業連関表を実質価格に書き換える等の作業及び構造分解分析を行った。研究結果の一部は環太平洋産業k連関学会や日本LCA学会、International Input-Output Association等で高騰発表を行った。最終年度は、前年度のデータ準備や分析結果を踏まえて、まずは化学物質排出量を環境負荷とした場合の分析を進めた。国際サプライチェーンに付随して発生する化学物質排出量に関して関係性の高いグループ(すなわちクラスター)をSpectral clusteringの定量的な手法に基づいて検出した。より具体的な研究過程は、国際産業連関表に基づいて形成される国際間サプライチェーンネットワークの作成、それを用いたグラフの作成、多分割法(Multiway Cut)を用いたネットワークからのクラスター抽出、CytoscapeやGephiによるネットワーク内のクラスターの視覚化、などである。研究結果は九州大学加河研究室主催の第1回産業エコロジーワークショップにて口頭発表を行った。現段階ではグラフ理論におけるノードで表される地域/産業の数が膨大であり、視覚化することが非常に難しい。現在、その点も含めて盛り込むべき政策的観点等について共同研究者と議論を進め、結果を論文にまとめている最中である。
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