本研究の目的は、中小企業連携事業の公的支援を受けた企業が、連携先企業を選定する際に必要とした情報および信頼の変化を明らかにすることである。本研究は、研究開発段階および事業化段階の認定事業に参画した企業にアンケート調査を行い、その結果を分析することにより研究を進める。実施する作業は大きく分けて次の3つである。1)支援事業内容の確認、支援事業に認定された中小企業連携数の推移・内容の調査、企業のリストアップ、調査票の作成2)中小企業連携に参画した企業への郵送によるアンケート調査3)アンケート調査結果を、連携企業の選定に関わる内容と、信頼関係の構築・変化に関する内容に分けて集計し、傾向を分析する 平成28年度に行った作業は次の3つである。a)平成27度に実施した研究開発段階の調査結果による学会報告および論文の作成、b) 製造業における事業化段階の中小企業連携を対象とした調査、c)2つの調査結果を分析する a) 平成27度に実施した研究開発段階の調査結果は、連携企業の選定情報と信頼関係の変化の2つに分け、それぞれ学会報告を行った。また連携企業の選定情報に関する論文を執筆した。 b)製造業における事業化段階の中小企業連携として、独立行政法人中小企業基盤整備機構の「新連携事業の支援」において、基盤技術、IT、検査・計測、次世代のいずれかに該当する事業に対する調査を行った。平成17年から平成24年までに認定を受けた事業271事業を対象とし、636者に対してアンケート調査を行い、44社の経営責任者、46社の総務担当者、36社の事業担当者から回答を得た。アンケートは平成27度の調査と比較するため、細部の文言以外は同じ内容とした。 c) 平成27度および平成28度に行ったアンケート調査を元に、連携企業の選定に関わる内容に関して学会報告を行った。この報告に際して、追加のアンケート調査も行った。
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