研究課題/領域番号 |
15H06565
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
阪口 博政 国際医療福祉大学, その他の研究科, 講師 (60757516)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | 管理会計 / 原価計算 / 医療 / 病院 |
研究実績の概要 |
本研究は、医療機関を対象とした管理会計システムの導入に関する促進・留意事項を探る研究として企図されるものである。 一般企業を対象とした管理会計手法の導入研究を踏まえ、医療機関レベルでの管理会計システムの導入技法の解明を目的としている。また、医療者に対する意識調査を参照しながら、医療機関内の医療従事者レベルでの経営管理システムの受容に向けた留意事項の解明も目的としている。 平成27年度は主として医療機関レベルに焦点を置き、管理会計手法のうちとくに原価計算を中心に研究を進め、アンケート調査並びにインタビュー調査を実施した。 アンケート調査では、DPC/PDPS病院を対象として、原価計算システムの導入に関する目的並びに促進・阻害要因に関する調査を行った。対象1600病院中約170病院の回答を得て、原価計算の実施状況・効果認識・促進並びに留意事項について把握したものである。この調査結果をもとに、効果に対する具体的な実践目的や関連する要因などを分析中である。 インタビュー調査では、様々な経営管理手法を導入した9病院を対象として、経営管理手法導入に関する目的並びに促進・阻害要因に関する調査を行った。同一管理手法でも病院により存立する環境やマネジメントに関する意識の浸透により留意すべき要因が異なること、並びに同一病院でも導入ステージにより留意すべき事項が異なることが明らかになった。この調査結果をもとに、アンケート調査の作成・解釈を進めている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度に実施予定であった、アンケート調査・インタビュー調査は遂行され、おおむね順調に進展している。アンケート調査では想定された回答数を確保でき、予定通り分析を進めている。インタビュー調査では想定されたインタビューを実現できたものの、当初の仮説よりは多様な実態が確認できたため、平成28年度に予定するインタビュー調査にて補完しながら考察することで進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、当初の想定通り医療従事者レベルでの経営管理システム向けた留意事項の解明に進む予定である。具体的には、特定の医療機関を対象に所属する医療従事者を対象としたアンケート調査を実施する。また、適切なアンケート票の作成並びにアンケート票の解釈のために、同医療機関や他医療機関の医療従事者を対象にインタビュー調査を実施する。これらの調査を通じて、経営管理システム受容に向けたそもそもの経営意識の構成や、それに影響する要因を把握する予定としている。
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