本年度は、まず今後実施する実験設備の整理と方法の確立に努めた。臨床業務との両立の関係上、実験方法の確立に努めた。まず、細胞培養については培養室の改装も年度末まで実験実施が難しい状況ではあったが、使用する細胞ヒト歯肉線維芽細胞(HGF)、ヒト歯根膜線維芽細胞(HPLF)、ヒト歯髄細胞(HPC) の細胞ストックを作成し通常の培養環境を整えた。申請者自身が実験をできるようにするため、細胞培養技術を習得することに努め、実験技術の向上に努めた。現在、適切なナノマテリアルの添加濃度と反応時間を確立させている。また、細胞生存率の方法に使用するMTT解析についても実験方法の確立を行い、実施できるようにした。プレートリーダーについても、共同研究先の研究室にて今年度も新しい機器を導入し、迅速に解析ができる準備を整えた。タンパク発現についてはウエスタンブロットを使用して解析予定である。ウエスタンブロットについても電気泳動及びペルオキシダーゼ標識による発色検出法を確立させ解析可能である。発色検出器についても、共同研究先の研究室にて新しい機器を導入し、高感度且つ迅速に解析できるように環境を整えた。タンパク発現量を定量できるように解析専用ソフトを導入した。申請者自身、共同先の研究協力者と共に、電気泳動の方法を習い実験実施を自身できるようにした。実際、培養細胞を用いて、細胞溶解液の抽出及びサンプル作成を行い細胞のインターナルコントロールであるGAPDH(グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ)のバンドの検出をできるようになった。ラットの組織免疫染色についてもラット組織の灌流固定法と蛍光染色法の方法を確立させ解析準備を進めている。共同研究先の実験室に蛍光顕微鏡を導入し来年度以降に解析できるように準備を整えた。以上の習得した方法を用いて来年度に本格的に実験を開始する。
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