研究実績の概要 |
骨形成因子(Bone Morphogenetic Protein, BMP)は骨格形成等に重要な役割を果たすサイトカインである。BMPの細胞内シグナルはI型とII型の膜貫通型受容体によって伝達される。II型BMP受容体であるBMPR-IIは細胞内に長い尾部構造を有するが、その機能は明らかではない。肺動脈性高血圧症(PAH)ではBMPR-IIの尾部の変異が見出され、BMPR-IIの機能喪失が発症に関与すると考えられている。しかし、我々は進行性骨化性線維異形成症(FOP)の解析から、BMPR-IIの尾部構造を欠失すると機能が亢進する結果を得た。そこで、BMPR-IIの尾部構造に存在が予想される機能領域の同定と、その生理的機能の解明を目指し研究を行った。 本年度は、様々な形で尾部構造を欠失したBMPR-II尾部変異体の発現ベクターを構築し、in vitroでの機能を確認した。その結果、BMPR-II尾部のうち、BMP活性に抑制的に作用する部分をおおよそ絞り込むことができた。
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