本研究の目的は、新たなせん妄評価ツールである日本語版bCAMの開発と妥当性・信頼性検証である。本事業では外科系患者のみを対象としていた。しかし、平成28年診療報酬改定にて「重症度、医療・看護必要度」の見直し予定情報を検討した結果、外科系患者のみではなく入院患者全体での検証へと修正する必要性があると判断した。その結果、研究対象範囲を外科系患者および内科系患者へと拡大することとした。そうした修正をふまえた本事業(研究スタート支援)から新事業(若手B研究)への移行承認が得られたため、本事業(平成27年度から2年予定)は新事業(平成28年度より3年計画)へ移行継続となった。 本事業(平成27年度)の研究実績としては、bCAM原版(英語)作者の協力を得て行われた日本語版bCAMの作成および、研究者所属施設倫理委員会(平成28年1月)と対象1施設での倫理委員会承認(平成28年4月)が得られたことである。これにより平成28年5月からデータ収集を開始することが可能となった。今後は、3ヶ月以内に残りの1施設での倫理委員会承認を得てデータ収集を開始する予定であり、これによりデータ収集が行うための全ての環境整備が完了する。その後は、数ヶ月ごとの協力施設でのデータ収集状況の進捗確認を行っていく。協力施設調整の結果、データ収集は12~18ヶ月程度で完了できる見通しである。 また、日本語版bCAMの暫定版を用いた予備調査の実績報告として、学会発表を1件行った。
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