報告者は、前田家本を底本としている『うつほ物語』に多数ある未詳語彙の解釈をするために、『うつほ物語』三十冊板本の各丁の最初の数文字を翻字した一覧を作成し、どの機関が所蔵している本のどの丁に書入れがあるかをわかるようにした。未詳語彙の解釈は論文にまとめ、報告する予定である。これまで指摘されてこなかった本居宣長門下の学派についての指摘と、当該本の書入れの分類については、2016年9月に他大学での研究会において報告した。書入れられた記号については、その解読を行なった。この結果は、2017年5月に中古文学会春季大会で発表した。
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