海洋天然物クラハインは、破骨細胞分化阻害活性と小胞体膜上のカルシウムイオンポンプ(SERCA)阻害活性を有する鎖状リポペプチドである。本化合物の示す生物活性の作用機序解明を目的として研究を行った。 結果として、以下のことが明らかとなった。 ①クラハインによる破骨細胞分化阻害活性に、プロヒビチン-1および-2が関与している可能性が示唆された。②クラハインのSERCA結合部位として、全アミノ酸配列(およそ1000残基)中、特定の14残基のいずれかが関与する可能性が示唆された。③クラハイン類似海洋天然物2種を発見し、それらの構造を解明し、全合成を達成した。また、構造活性相関に関する知見を得た。
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