本研究では、島根県出雲地域諸方言の共時的言語体系の全体像を明らかにするとともに,地理的変異についてもその概容を把握し、出雲諸方言の歴史的形成過程解明に向けた研究の進展に貢献することを目的とし、出雲地域諸方言の隣地調査を行った。研究期間中に所属研究機関の移動などがあり、必ずしも十分な調査を行うことはできなかったが、地理的変異の概要を把握するだけのデータを得ることができた。特に、アクセントと動詞形態論(活用体系)については全7地点で調査を行うことができた。また、大社方言と佐白方言については、簡易文法書を作成するのに必要な基本的なデータを収集することができた。
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