本研究の目的は、英語授業実践過程を継時的に捉え、学習者間での協働的な対話の特徴と機能を明らかにすることである。 2015年度に研究代表者が担当した大学英語授業で、協働的な対話がどのように生起するのかについて、学習者3人グループにおける対話の様相を録画・録音し、談話録を作成して検討した。同一の3グループを継時的に観察した結果、共通点と相違点が見出された。 第一・第二グループでは、課題内容に関する「わからない」という発話が頻出し、この発話が契機となって内容理解構築に向けた相互間の対話が生起した。第三グループでは、学習者が相互に読み手となって課題内容を改善するための互恵的な学習が成立していた。
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