本研究の目的は、パーキンソン病患者の主観的な症状認知と医療者の客観的な症状評価の差異が転倒に及ぼす影響を明らかにすることである。脳神経内科病棟に入院中の重症度 Hoen & YahrⅠ~Ⅳ(寝たきりを除く)の患者32名に対面式でアンケート調査を行った。症状の評価にはUPDRS PartⅢを使用し、on状態での評価を調査した。更に、両者の症状評価の差異を算出し、各症状と転倒との関連を検討した。 医師の症状評価において、左手の回内回外運動と転倒との関連に有意傾向が認められた。医師と患者の症状評価の差異では、いくつかの症状に差異が認められ、患者には認知しにくい症状がある可能性が示唆された。
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