歯科用インプラント材料として現在最も広く使用される材料はチタンであり、審美性とアレルギーの問題が懸念されている。そこで我々は新たなインプラント材料としてセリア安定化ジルコニア/アルミナ・ナノ複合(Ce-TZP/Al2O3)に着目した。Ce-TZP/Al2O3は、イットリア系ジルコニアと比較して、口腔内のような水熱環境下でも劣化しない優れた特性を有する。本研究の目的はCe-TZP/Al2O3インプラントフィクスチャーの開発である。我々はフッ化水素酸処理したCe-TZP/Al2O3が骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)の分化を促進し、ラットの大腿骨へ埋入したインプラント体と骨との結合を確認した。
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