研究課題
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本研究はアルフレート・デーブリーンの長編小説『一九一八年十一月 あるドイツ革命』で描かれる二通りの視霊体験を分析して、亡命期(1933-45)のデーブリーンの神秘思想の解明を目指した。二つの視霊体験には古代ギリシア以来続く霊魂論と中世キリスト教神秘主義の思想が底流する。デーブリーンは視霊体験を通して、生者は死者と相関関係にあり、死者に配慮する必要があるを強調する。ドイツ革命の後十年程で全体主義が台頭する背景に「霊界」への軽視を見る、デーブリーンの歴史観が判明した。
ドイツ文学