本研究では、日本の女性における社会的排除の健康影響とそのリスク要因を検討した。文献レビューの結果、社会的排除とは「大多数の人々にとって入手またはアクセス可能なサービス(住居、教育、保健医療、社会福祉サービス、就労など)や社会的交流が制限もしくは阻害されていること」であり、女性の場合は結婚や離婚、出産などが社会的排除のリスクを高めるきっかけとなり得ることが示された。日本のデータを用いた実証研究では、非就労が女性の社会的排除(配偶者間暴力時の医療利用の抑制)を誘発する要因となる一方で、高い職業的地位に就くことが、必ずしも女性の健康を高める結果につながっていないことが明らかになった。
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