研究課題
本研究の目的は、銀行による顧客企業株式の保有が融資の効率性や企業パフォーマンスに及ぼす影響について、実証的に検証することである。平成28年度については、平成27年度に整備した非上場企業約2~3万社・上場企業約3500社のパネル・データベースのうち上場企業に関するデータを用いて、共同研究者である植杉威一郎氏(一橋大学)、鈴木健嗣氏(一橋大学)とともに論文を執筆した。上場企業データのみを用いた理由は、平成27年度に行った一橋大学商学研究科主催の研究セミナーでの報告に対するコメントを踏まえて、銀行の株式保有の対象が主に上場企業であること、分析対象期間の2003~2013年には制度変更などを背景に銀行による上場企業株式の売却が多かったことから、分析の焦点を制度変更による上場企業株式の売却に絞った方がよいと考えたためである。制度変更による銀行の外生的な上場企業株式の売却が、当該企業・銀行間の融資関係や企業パフォーマンスに及ぼす影響について分析した論文を執筆し、地域金融コンファレンス、経済産業研究所研究会で報告した。報告に対するコメントを踏まえて論文を改訂し、ワーキングペーパーとして公表した(近刊)。この他、銀行による既往債務の軽減が企業パフォーマンスに及ぼす影響に関するワーキングペーパー(近刊)、少子高齢化が家計の金融資産選択に及ぼす影響に関するワーキングペーパーを執筆した。また、平成27年度に執筆した金融政策と銀行貸出に関するワーキングペーパーを国内・国外の著名な学会に投稿し、ABFER 4th Annual Conference(シンガポール)、5th MoFiR Workshop on Banking(シカゴ)、第18回マクロコンファレンス(大阪)等で報告した。これらの研究は、本研究のテーマと直接関係するものではないが、本研究を遂行するうえでも有益な知見が得られた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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RIETI Discussion Paper
巻: 印刷中 ページ: -
Hitotsubashi University Real Estate Markets, Financial Crisis, and Economic Growth: An Integrated Economic Approach Working Paper Series
巻: 61 ページ: -