危険ドラッグ25B-NBOMe・25I-NBOMeの服用後、過高熱、横紋筋融解症が誘発され死亡した解剖と薬物分析を行った。この事例において、serotonin過剰によるserotonin症候群および横紋筋融解症が発症の有無を検証するため、ラットに25B・25I-NBOMeを投与し、経時的な体温上昇および採取した血液及び試料を分析した。コントロール群として溶媒(生食)投与、セロトニン症候群モデル群として5-HTおよびクロリギリン(モノアミン酸化酵素阻害薬)を対象として同時に作成した。適切投与量を決定するために5ng/kg~10mg/kgまで濃度を振って投与したところ死亡ないし高熱を発症するラットはなかった。しかし、25B・25I-NBOMe投与によってラットの行動異常(凶暴性等)が観察されたものがあった。別種の危険ドラッグ(MDMB-CHMICA)によりテールカフにより血圧を継時的に測定したモデルでは投与直後に同様な行動異常があり血圧の上昇及び脈拍が上昇し、数分で血圧の正常化及び除脈が認められた。血圧上昇に伴う代償作用による脈拍の低下が考えられるが今後分析が必要である。
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