研究実績の概要 |
テータ関数を用いた岩澤理論への応用について研究をした. とくにこれまでの研究で得られたテータ関数が, レベルを割る素点でもHecke固有形式になっていることを示し, Fricke対合のテータ関数への作用を書き下した. またその応用として, L関数の特殊値への非消滅への応用も研究し, Hilbert尖点形式の場合, 非消滅の問題を, より扱いやすい“代数体の存在問題”に帰着することが出来た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テータ関数の構成に関連して, p進L関数の構成に着手する予定だったが, これについては, いくつかの情報収集, および状況の確認をするに留まった. これは研究実績の概要で述べたように, 当初の計画とは別の, テータ関数の応用に注力をしたためであり, 実質, p進L関数の研究に時間を多くは割くことが出来なかったためである. 研究実績で挙げた研究も, テータ関数の岩澤理論への応用という当該研究の大きな目的の一部と考えられるため, 現在の研究進捗状況は, “やや遅れている”とするのが妥当である.
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今後の研究の推進方策 |
今後も, テータ関数を軸に据えて, 研究を進めていく. まずテータ関数の応用としての, L関数の特殊値の非消滅の問題を決着させる. また本年度内に収集したp進L関数についての情報収集の結果, 当初, 考察していた対象以外にも様々な場合について, より一般化が望まれる状況であることが分かってきた. そのため当該研究の目的たるp進L関数以外のものについても, その一般化や精密化を目的とした情報収集・研究を行っていく.
テータ関数の研究は, 概ね順調と考えられるので, 今後も計画の通りに研究を行っていく.
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