本研究では、有機ヘテロ界面の構造と電子構造の関連を探り、有機太陽電池(OPV)の要となる電荷生成への影響を解明することを目指した。まず、OPVの汎用のアクセプター材料であるPC61BMが結晶化によって表面にその側鎖を露出させ、その上に堆積したドナー分子、セキシチオフェン(6T)の薄膜中のドメインのテラスが、表面エネルギーの増加によって著しく増加することを見出した。また、結晶性分子の界面であるF16CuPc/6T界面では、X線回折と走査トンネル顕微鏡観察からF16CuPc層の構造が乱れることが明らかとなり、複雑な電子準位接続の起源を分子スケールで明らかにできた。
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