DNA複製制御機構の破綻により生じる再複製はゲノムの不安定化を引き起こす。研究代表者はこれまでにCdt1がDNA複製を抑制することでゲノム安定性維持に寄与する可能性を見出してきた。本研究では、ゲノムDNAの再複製によって誘発されるゲノム不安定化を回避するためのゲノム安定性維持機構の同定および、Cdt1によるDNA複製阻害機構の解明を目的とした。その結果、1)Cdt1が複製フォークの進行を阻害することで新生鎖伸長反応を抑制すること、2)この阻害作用にはCdt1の255-289アミノ酸領域が必要であること、3)Cdt1のライセンス化活性はDNA複製抑制作用には必要でないことを明らかとした。
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