研究課題/領域番号 |
15H06640
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
冨安 亮輔 東洋大学, 理工学部, 助教 (40755253)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | 仮設住宅の本設化 / 災害公営住宅 / 東日本大震災 / 環境移行 / 被災者の住まい |
研究実績の概要 |
大規模災害の復興過程に関する先行研究より、仮設住宅から災害公営住宅等への環境移行が被災者に与える心理的影響は大きいと指摘されている。また、東日本大震災では約5.3万戸という大量に建設された仮設住宅のモノとしてのリユース方法も大きな課題である。本研究はある自治体で模索されている木造仮設住宅の隣地本設化を通じて、居住者とそのコミュニティの意向を汲みつつ恒久的な住まいを形づくること、木造仮設住宅のリユースという建築構法の点からも知見を得ることを目指している。 今年度に実施した主な内容の3点を次に示す。 (1)仮設住宅居住者を対象に、仮設住宅での生活/団地内外との近所付き合い/前居住地とのつながり/今後の住まいについて訪問面接調査を行った。調査は一件あたり30分から2時間の時間をかけ丁寧に行った。居住世帯は22世帯であるが、16件の回答があった。今後の住まいの再建先の調査結果を中心に前居住地との関係、現在の近所付き合いとの関係について考察を行った。 (2)仮設住宅の劣化状況、つまりモノとしての実態について、現地調査と行政・施工者インタビュー調査を実施した。また、他自治体の仮設住宅の調査結果について報道や文献などから情報収集を行った。 (3)平成27年度に木造仮設住宅を移設本設化した先行自治体があることが文献調査から明らかになった。この自治体と施工者に連絡をとり、計画の経緯や施工面での課題等についてインタビュー調査を行った。この事例ではある仮設団地の一部住棟を解体移築し、定住促進住宅としていた。仮設住宅と定住促進住宅の施工図面を入手することができた。これら2つの図面を比較し、部材ごとのリユーザビリティを検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度に予定していた調査をほぼ計画通り、実施している。先行自治体から本設化した仮設住宅の工事前と工事後の詳細な図面を入手できたことは想定以上の成果であった。
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今後の研究の推進方策 |
研究の最終年度として調査結果の詳細な分析と考察を進める。さらに仮設住宅居住者に関係が深い人々(例えば周辺自治会役員や社会福祉協議会職員など)へもインタビュー対象を広げていきたい。これらをまとめて本研究の目標である仮設住宅本設化(移転・改修)の具体的な計画案を策定する。
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