東日本大震災の被災者の住まいが仮設住宅から恒久的な住まいへ移行する今日において、環境移行による心理的負担軽減と仮設住宅の再利用推進は重要な検討課題である。本研究はこれらの課題に対して、木造仮設住宅を災害公営住宅へ本設化する実践的計画案を提示するものである。岩手県遠野市を研究フィールドとして仮設住宅の劣化状況と居住者の住まいの意向を把握した。そして、1)部材の再利用、2)建築基準法への適用、3)高齢者が多い居住者、4)遮音性、5)眺望とプライバシーの確保、6)他者との繋がり、7)土いじりできる外構、を要点として2つの敷地で災害公営住宅の計画案を提示した。
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