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本研究では、メカニカルストレス（mechanical stress）として使用した低出力超音波 （Low-intensity pulsed ultrasound）刺激が、骨芽細胞への一定時間かつ継続的な刺激を付与した際に、LIPUS刺激が骨芽細胞におけるコラーゲン代謝に及ぼす影響を検討する事であった。したがって、LIPUS刺激により医科領域での骨折や骨欠損部への治癒促進だけでなく、新たに生成された骨組織が良好な骨質を有する事を示唆し、LIPUSの臨床応用の可能性を学術的に解明するものとしている。
そこで、LIPUS刺激が骨芽細胞の骨形成におけるコラーゲン代謝に及ぼす影響を細胞生物学的および分子生物学的に解明する事を目的とした。
その結果として、LIPUS刺激により骨芽細胞であるMC3T3-E1細胞の1型コラーゲン（Type1 collagen; Col1）の遺伝子およびタンパクの発現増加が認められた。その一方で、コラーゲン分解酵素であるMatrix metaroproteinase（MMP）-1、3および13の遺伝子およびタンパクの発現減少が認められた。また、MMP-2とTissue inhibitor of metalloproteinase（TIMP）の遺伝子およびタンパクの両発現には影響を及ぼさなかった。さらに、ATP関連受容体（P2X7受容体）のアンタゴニスト（A438079）およびMC3T3-E1細胞のP2X7受容体ノックダウン細胞（shP2X7）を使用した実験においては、それぞれのMMP（1、3および13）の遺伝子およびタンパクの両発現を増加させる（LIPUS刺激による発現減少を抑制する）事が本研究で実証された。
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