口腔粘膜損傷により機械痛覚過敏が発症する。以前代表者は頬粘膜切開による機械痛覚過敏の発症にTRPA1が関与することを明らかにした。しかし、機械刺激を受容するTRPV2やTRPA1のmRNAの発現に関与するとされるIL-6の関与は明らかでない。そこで、頬粘膜切開ラットを用いた行動実験、免疫組織化学実験を行った。実験結果として、頬粘膜切開により発症する熱および機械痛覚過敏には、頬粘膜を支配しているペプチダージックな三叉神経節(TG)ニューロンにおけるTRPV2の発現増加の関与が明らかとなった。また、頬粘膜切開部組織から放出されるIL-6量は、切開処置後1日目に有意な増加を示すことが明らかとなった。
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