本研究では、チューブ状やらせん状の人工合成不可能な鉄酸化物構造体を細胞外に生成する鉄酸化細菌の単離と培養方法の確立、生成される構造体の形成機構の解明を目的に研究を進めた。当該細菌の生息場所を探索し、高純度にチューブ状酸化鉄を採取できる井戸を発見したが、採取許可が得られなかった。一方、培養により得られたGallionella ferruginea由来のらせん状酸化鉄を解析し、その構成元素や結晶構造を調べ、自然界のものとは異なることを明らかにした。また、培地組成の改変によりその組成や結晶構造を制御できることを明らかにし、新規機能性材料の創出に貢献する可能性を示した。
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