本研究はゲノム上の特定領域のDNAメチル化状態のみを特異的に制御できる技術の確立を目的としている。DNA脱メチル化に関わるタンパク質に翻訳されない200塩基以上の長鎖非コードRNAの強制転写を用いた方法については期待した効果は得られなかった。一方で、任意のDNA配列を認識するDNA結合ドメインとDNAメチル化制御酵素ドメインを融合させた人工融合遺伝子を用いた手法ではゲノム上の特定領域のDNAメチル化状態を非常に高い効率で制御可能であることが明らかになった。本研究で開発された技術は、基礎から臨床研究までの幅広い分野に渡るDNAメチル化研究を大きく前進させることが期待される。
|