本科研費を元に、複数のグラフィックボードに対して、並列に処理を分散して実行することが可能なSLI(Scalable Link Interface)技術を用いて、演算に非常に時間がかかる特徴の計算を行うことで、研究者が従来行っていたCUDAを用いた方法の3倍程度の高速化を達成した。予測の場合、予測対象のアクションのフレーム数が長くなるほど、その部分アクションとして計算する必要のあるデータ量が指数関数的に増加するため、フレーム数が大きいアクションの実時間処理は困難だが、フレーム数が非常に短いアクションに対しては、実時間での処理も可能となる目途が立った。現時点では、処理性能の向上に加えて、更なる予測精度の向上を目指して、検討を行っており、精度の向上が実現でき次第、予測の研究の成果を学会にて発表する予定である。また、当研究に関連して、Kinect Version2で追加された新規の関節を用いた新しい上半身を対象とした特徴記述子を定義して、動作の種類だけでなく、行為の対象物の場所を認識する方法についても実画像を用いた研究を行った。こちらの研究に関しては、被験者の前にテーブルを置き、そのテーブルの上の異なる個所に置かれた対象物に対して複数のアクションを行った際の各関節の三次元位置をKinectVersion2により取得して、そのデータを元に学習した結果を用いて、正しく認識を行うことができるかどうかの検討を行った。センサーのノイズを除去した上で、提案手法を適用した所、認識率が90%以上という、非常に高い認識率を実現できることを確認したため、その成果を3月に行われる画像電子学会第276回研究会で発表した。
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