研究課題
本研究は運動中の姿勢変化が比較的小さく歩行や走行などの身体運動と比べて筋活動や動作との対応関係の解釈が比較的容易な自転車ペダリングを運動課題として採用し、自転車ペダリング運動時における下肢筋群の筋活動の協調性を明らかにすることを目的とした。空力および電磁ブレーキで運動負荷が制御される自転車エルゴメータ(Wattbike社製)に踏力計を搭載し、エルゴメータから記録された踏力データ、クランク角度(クランク1回転中のペダル位置)、筋電図信号を同期する計測システムを構築した。次に、健常男性を対象として1分間の自転車ペダリング運動が遂行可能な運動負荷とクランク回転頻度を探索し、本実験での具体的な運動課題を決定した。そして、新たに構築された計測システムを用いて、自転車ペダリング中の下肢筋群から踏力および表面筋電図を記録する実験を行った。それぞれの運動課題で計測された踏力および筋電図データを抽出した。筋電図信号に全波整流を施した後、低域通過フィルタにより整流化筋電図を平滑化した。また、踏力データに関しても低域通過フィルタによって信号処理を行った。各条件におけるクランク10回転分の踏力および平滑化筋電図データを抽出し、これらを分析対象とした。現在、下肢筋群の協調性を定量化するアルゴリズムを作成中であり、来年度に作成されたアルゴリズムを用いて自転車ペダリング運動時における下肢筋群の協調性を定量化する。
2: おおむね順調に進展している
実験環境の構築と実験は既に終了している。現在、下肢筋群の協調性を定量化するアルゴリズムを作成中であり、来年度に作成されたアルゴリズムを用いて自転車ペダリング運動時における下肢筋群の協調性を定量化する予定である。
下肢筋群の協調性を定量化するアルゴリズムを作成中であるが、協調性の定量化に試みた結果、被験者ごとの協調性がばらつく可能性がある。その場合は、運動課題ごとに筋電図信号に施す平滑化処理を変える方策をとる。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
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