研究課題
我が国では高齢化が急速に進んでおり、国民全体に向けた介護予防に関する研究に取り組むことは重要であると考えられる。サルコペニアは、加齢に伴う筋肉量の減少ならびに筋力の低下と定義されている。これまでに、身体活動ならびに複数の生活習慣要因とサルコペニアとの関連について総合的に検討し、要因間の関係を定量的に検討した研究はほとんどない。そこで本研究では、身体活動によるサルコペニアの予防効果を最大限に引き出す生活習慣要因の組み合わせを解明することを目的とし、サルコペニアに関連する複数の生活習慣要因とサルコペニアとの関連を分析し、身体活動およびその他の生活習慣要因とサルコペニアとの相互作用に関する検討を行った。本研究では、大学同窓生を対象とした大規模コホート研究の参加者のうち、2015年3月より開始した大学施設で実施する健康診断・体力測定に参加した中高齢者を対象に検討を行った。2017年3月までに698人の測定を完了し、本研究ではそのうち解析基準を満たした591人(男性392人、女性199人)を対象とした。DXA法を用いて骨格筋指数を算出し、サルコペニア予備群および該当者を判定した。本研究対象者の骨格筋指数の平均値は男性で7.98±0.81kg/m2、女性で6.14±0.63kg/m2であった。ロジスティック回帰モデルを用いて、年齢、性別、飲酒量、喫煙習慣を調整後、余暇身体活動量(P for linearity=0.010)、および、たんぱく質摂取量(P for linearity=0.011)はそれぞれ独立してサルコペニア予備群・該当者の頻度と有意な負の関連が認められた。サルコペニアに対する余暇身体活動量とたんぱく質摂取量の交互作用についても検討したが有意ではなかった(P for interaction=0.333)。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
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