研究実績の概要 |
本研究は、19世紀初頭における地方ホイッグの政治運動を、特に政治結社、政治理念、選挙活動の観点から分析することを目的としている。2016年度の研究実績としては以下の3点が挙げられる。 第一に、The Cult of Fox in the Early Nineteenth Centuryというタイトルの単著の出版契約を、Edwin Mellen Press (Lewiston, NY; Lampeter, Wales)と結んだ(2017年4月)。本書では、特に地方ホイッグが展開した結社活動や「政治的晩餐会」などの集会活動に焦点をあて、18世紀末におけるホイッグ党の指導者であったチャールズ・ジェイムズ・フォックス(1749-1806)が死後もなおホイッグの政治理念や政治行動に様々な点で影響を与えていたことを解明する。 第二に、19世紀初頭における地方ホイッグの政治運動をより長期的なコンテクストに置き考察することを目的に、Angus Hawkins, Victorian Political Culture: ‘Habits of Heart & Mind’ (Oxford: Oxford University Press, 2015)の書評を執筆した。書評は、East Asian Journal of British History, vol.6より2017年6月に出版される予定である。 第三に、地方ホイッグをより総合的に理解すべくその敵対者であった地方トーリについて考察を進め、国内外の学会で複数回口頭発表を行った。そこから得た知見を活かし完成させた論文が、Parliamentary History誌より2018年に出版されることが決まっている。
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