本研究では、権威主義体制の選挙がどのように設計され、設計された選挙がいかなる政治経済的帰結を持つのかについて理論を構築し、国際比較の統計分析と中央アジア諸国の事例研究を通じて実証分析をおこなった。選挙不正や選挙制度改変によって自分に有利なように選挙結果を操作すると、選挙が体制を揺るがすことはないが、選挙が体制の正統性を高めることはない。この権威主義体制下の「選挙のジレンマ」に焦点を当てて、選挙不正・選挙制度改変・政治的景気循環・選挙後政治紛争を統一的な説明を可能にする理論・実証分析をおこなった。それぞれのパートの研究成果の一部は英語・日本語で公刊され、海外・国内の学会や研究会で研究報告した。
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