日本は今後の高齢化率を考慮する上で効率の良い介護を実施しなければ施設介護が立ちゆかないことも考えられる現在,施設における専門職の役割と専門職連携が重要なキーワードとなってくる.そこで先進国である英国の IPW実践者がIPEをどのように意識しているかを調査し,明確化して今後の日本におけるIPEおよびIPWの参考にするため英国にてIPW実践者への質問紙調査を実施した. 方法は,英国のロンドンおよびその郊外都市の医療福祉施設に従事している看護師・介護福祉士・マネジャー職合計84名へ2016年8月~12月にかけて質問紙調査(自由記述含む)を実施した.回収方法は,留め置き法と郵送法で行った. その結果,各職でIPWおよびそのためのIPEは大変重要であるとの回答が100%,IPW実践のためには各教育課程で行ったIPEが自身の基礎資格と専門職としての実践に大変役立っているとの回答が90%以上得られた.また,IPWにはIPEが必要であるという回答も100%であり,各専門職の教育課程におけるIPEが重要かつ有効であるという意識が,現場で実践している専門職に持たれていた.かつ,各専門職の役割の明確化が重要なFactorであった.仏国での調査は27・28年度内に度々テロが起き,非常事態宣言が解かれておらず調査協力を得ることができず実施できなかった. IPWの円滑な実践には教育課程におけるIPEが専門職自身に根付き意識づけられており,そのためには各専門職の役割の明確化を認識し,その上でIPEを実施し,現場でIPWを実践してより良いケアを提供することができると認識していた.各専門職の役割の明確化と教育課程でのIPEの重要性が英国の調査において明らかになり,それが今の日本の医療福祉系資格の教育課程と実践に不足している部分と言え,IPW・IPE先進国である英国を参考にし,現状を改善する課題点であると言える.
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