看護・介護職において、高齢者の性についての学習経験があるもので高齢者の性に対する好意的なイメージや寛容な態度をもつことが報告されている。そのため、高齢者に接する者が、性的トラブルに遭遇した時に、性について偏見のない正しい見識を持ち対処することができるよう、高齢者の性に関しての教育の場が必要であり、教育のためにはセクシュアリティの実態を正確に把握する必要がある。しかし、高齢者の性に関する研究は日本ではあまり多くはなく、その実態について正確に把握できていない部分があるという現状がある。本研究は、45歳以上の有配偶者男女への性に関する自記式質問紙調査により、中高年のセクシュアリティの実態、中高年の性についての男女の認識の相違、中高年のセクシュアリティと主観的幸福感との関連を明らかにすることを目的としている。 調査対象者は45歳~80歳代までの地域在住有配偶者男女で、今年度は中高年の性に関する文献検討を行いながら、自記式質問紙の記入内容を元に、統計ソフトSPSSに質問紙内容の転記を行った。また、次年度の統計学分析への準備を行った。統計学的分析は、以下の手順で順次行っている。 1.回収した質問紙項目全項目に大して、中高年の性の実態を把握する為、記述統計量を求める。 2.質問項目に対して、性別、女性閉経前後別、年代別の回答の差異について、クロス集計を行い、カイ二乗検定、Mann-whitneyのU検定等を行う。 統計学的分析は次年度も引き続き行い、中高年の性に関する実態や生じている問題等を明確化していく。
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