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2015 年度 実績報告書

歯科領域における術後感染予防としてのプロバイオティクスの応用

研究課題

研究課題/領域番号 15H06700
研究機関鶴見大学

研究代表者

曽我部 薫  鶴見大学, 歯学部, 助手 (40758489)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワード歯学 / プロバイオティクス / 術後感染
研究実績の概要

歯科領域における術後感染症は、外科的無菌技法の進歩や抗菌薬の開発の結果、外因性感染による発症は減少したが、患者自身の持つ常在菌などによる内因性感染による発症は依然として存在する。特に口腔・咽頭領域では、外毒素を産生するグラム陽性菌と内毒素を産生するグラム陰性菌など毒性を有する日和見菌が多数常在しているため、内因性感染による術後感染症の発症が懸念される。したがって、周術期における口腔・咽頭部における細菌叢の制御は必要不可欠であり、プロバイオティクスの適応がその一助となることが期待される。これまでの研究でヒト口腔内から採取したプロバイオティクス候補菌Lactobacillus crispatus LBS17-11が、肺炎球菌であるStreptococcus pneumoniae ATCC 49619に対して抗菌活性を持つことがわかっている。本年度は、Lactobacillus crispatus LBS17-11が他の肺炎球菌Streptococcus pneumoniae GTC 261あるいは他の日和見菌であるインフルエンザ菌に対しても同様に抗菌活性を有するかを検証し、さらにその抗菌活性物質について調べることを目的とした。拮抗試験(Competition assay)および抗菌活性試験(Radial diffusion assay) を行った結果、Lactobacillus crispatus LBS17-11は、Streptococcus pneumoniae ATCC 49619、Streptococcus pneumoniae GTC 261、Haemophilus influenzae ATCC 9795およびHaemophilus influenzae GTC 15014に対して抗菌性を示すことがわかった。さらに、次の工程である抗菌活性物質を同定するための準備としてLactobacillus crispatus LBS17-11の上清からタンパク質またはポリペプチドの抽出を準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在までに、プロバイオティクス候補菌Lactobacillus crispatus LBS17-11の日和見菌Streptococcus pneumoniae ATCC 49619、Streptococcus pneumoniae GTC 261、Haemophilus influenzae ATCC 9795およびHaemophilus influenzae GTC 15014に対する抗菌性を確認した。しかしこれらの日和見菌の一部は、Biosafety level 2であるため手続きが多少煩雑であることに加え、各菌種の納期にばらつきがあったこと、さらに各菌の培養方法の確立に時間を費やしたため、抗菌活性物質を同定することに関してやや遅れている状況にある。

今後の研究の推進方策

平成28年度は、プロバイオティクス候補菌Lactobacillus crispatus LBS17-11の上清より抗菌活性物質を抽出し、その本体がタンパク質であるかポリペプチドであるか同定する予定である。同定した物質のStreptococcus pneumoniae ATCC 49619、Streptococcus pneumoniae GTC 261、Haemophilus influenzae ATCC 9795およびHaemophilus influenzae GTC 15014への抗菌効果を確認する。その本体がタンパク質またはポリペプチドであればアミノ酸配列順序を決定する。その後、データベースよりこの本体が新規物質か既知物質かを検索する。さらに、Lactobacillus crispatus LBS17-11の術後感染予防の可能性について検討する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 全身麻酔下歯科口腔外科手術後に角膜障害をきたした2症例2016

    • 著者名/発表者名
      中村泰輔、山本徹、舘野健、鈴木将之、福田瑠美、曽我部薫、堂下幹二、阿部佳子、河原博
    • 雑誌名

      日本歯科麻酔学会雑誌

      巻: 4 ページ: 26-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Opportunistic Bacteria in Tonsil and Dental Plaque are Indicator for Oral Care2016

    • 著者名/発表者名
      Chiyoko Hakuta, Ayako Okada, Kaoru Sogabe, Erika Kakuta, Keiko Endo, Susumu Imai, Masaaki Okamoto, Yoshiaki Nomura and Nobuhiro Hanada
    • 雑誌名

      International Journal of Oral and Craniofacial Science

      巻: 2 ページ: 30-34

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 3DSトレ-を用いた次亜塩素酸電解水の臨床的評価:第2報2016

    • 著者名/発表者名
      岡田彩子, 村田貴俊, マティン カイル-ル, 宮之原真由, 曽我部 薫, 大塚良子, 須藤智省, 松澤匡純, 桐原 大, 花田信弘
    • 学会等名
      第17回日本口腔機能水学会学術大会
    • 発表場所
      梅田センタービル(大阪府,大阪市)
    • 年月日
      2016-03-25 – 2016-03-26
  • [学会発表] エナメル上皮腫に対し下顎骨辺縁切除および腸骨海綿骨による再建術を行った褐色細胞腫既往患者の周術期管理2015

    • 著者名/発表者名
      福田瑠美、曽我部薫、鈴木将之、市川由香、日高亨彦、中村泰輔、山本徹、阿部佳子、河原博
    • 学会等名
      第43回日本歯科麻酔学会総会・学術集会
    • 発表場所
      東京医科歯科大学(東京都,文京区)
    • 年月日
      2015-10-30 – 2015-10-31
  • [学会発表] Trial of a Liquid Carrier Type Dental Drug Delivery Tray2015

    • 著者名/発表者名
      A. OKADA, T. MURATA, K. MATIN, M. MIYANOHARA, K. SOGABE, R. OTSUKA,M. KIRIHARA, M. MATSUZAWA, T. SUDO, S. IMAI, J. TAGAMI and N. HANADA
    • 学会等名
      第63回国際歯科研究学会 日本部会・学術大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県,福岡市)
    • 年月日
      2015-10-30 – 2015-10-31
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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