15世紀の英語による道徳指南文学の性質と、その隆盛を支えた作者・読者層および社会的・文化的環境について理解を深めるべく、Peter Idleyの人物像とその著書’Instructions to his Son’の性質それぞれについて研究を実施し、その関連を見ることを試みた。Peter Idleyの人物像を史料から再検証し、これを読者層の議論へとつなげて、さらに材源との比較から見えてくるInstructions to his Sonの特質との関連性をみることで、Peter Idleyが15世紀の教訓文学をその成立背景とともに理解するための重要な一例であることを示した。
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