本研究の目的は、戦後農村青年学習運動の展開過程の解明と、それらの学習運動の現代的継承の可能性についての検討であった。本研究を通して、下記の事柄が明らかになった。 1)農村の地域づくりを担う主体像についてである。地域づくりへの参加を通して生活課題の当事者になりゆく矛盾を抱えた主体として捉え直すことが重要であった。 2)戦後の農村青年運動を主導した玉井袈裟男の提唱された「風土」の概念は、コミュニティの断片化が進む農村地域の「暮らしの関係性の再構築」において重要なキー概念となりうる。本研究を通して、地域固有の風土を活かした若者主体の地域づくりを組織化していく可能性についても実証的に研究することが出来た。
|