糖尿病性多発神経障害の病態解明を目的とした。インスリン分泌促進薬スルフォニルウレア(SU)薬の標的であるグルコース応答性KATPチャネル(KATP)がエネルギー代謝状態に応じて神経興奮性を制御するという知見に基づき、KATPの末梢神経系における生理的役割を評価した。 その結果、後根神経節ニューロン培養において、SU薬及びKATP開口薬が、神経保護作用あるいは逆に神経傷害作用を発揮することを明らかにした。KATPノックアウトマウスにおいては、末梢神経系が加齢に伴い野生型マウスよりも早期に機能低下することが明らかとなった。以上より、KATPは末梢神経系の維持に重要な役割を果たすことが示唆された。
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