本研究の遂行によって、20世紀前半にヨーロッパにおいて活躍した、新渡戸稲造、有島生馬、小牧近江、芹沢光治良、石川三四郎、林芙美子、横光利一といった知識人達に関する国内外における資料の大まかな残存状況、及びその所蔵場所について確認することができた。その一部については、所蔵場所まで赴き、現物を調査することによって、これまでは明らかにされていなかった研究対象者のヨーロッパにおける足取りや当地の人々との交流の痕跡を発見し、研究成果として残すことができた。また、フランス、スイスにおける調査では、新渡戸稲造、石川三四郎の当地における生活の一端を知る人物達から日欧の交流史の端緒として重要な情報を得た。
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