本研究は臨地実習において学生のリスクセンスに関わる看護場面を検討することで教育の知見を得ることを目的とした。病院で患者を受け持ち実習する学生を対象に、実習中に「ヒヤッ」と感じた時の状況について、半構成的インタビューを実施した。学生が「ヒヤッ」とした感覚を持った看護場面は、姿勢・体位に関する内容であった。この感覚は、学生の行為だけでなく、その場での看護師の意向や患者の思い、現場の体制等、複数の要因が絡み合う出来事の流れから生じることが示された。学生の「ヒヤッ」とした心の体験に教員が着目することは、学生の積極性を大切にし、実習場で看護実践を習得する学生のリスクセンスの育成に繋がると考える。
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