本研究は和刻本漢籍の受容について明白にすることを目的とする。具体的にはケンブリッジ大学図書館のロックハートコレクションを研究対象とし、それに含まれる和刻本を取り上げ、詳細な書誌等を付与し、同館公式リポジトリであるケンブリッジデジタルライブラリーで公開した。原蔵者のロックハート卿(1858-1937)はイギリス出身の外交官であった。1880~1921年の間に香港・威海衛等の英領植民地の管理を任された人物である。在任中の40年間は数多くの美術品を集める一方で約1200点を数える蔵書も蓄えた。彼の没後に蔵書は解体され、遺族等によって売却されたが、同館が二度に渡ってそれを買収した。
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