本研究では、28年度においては、①近畿圏の大阪府以外の府県の特定における1990年以降の都市農地・農業の変化の把握と分析、②三大都市圏の都府県が策定する「都市農業振興基本計画」の策定状況の把握・分析、③東京都・愛知県・大阪府の現地調査を行った上での「土地利用計画」のあるべき姿の検討を行うこととしていた。 ①については、京都府については日本地理学会春季大会で発表の後、本学紀要で公表した。兵庫県については近畿都市学会春季大会で発表の後、本学紀要に投稿し、現在初校段階である。奈良県については日本地理学会秋季大会で発表しており、今後本学紀要に投稿する。 ②については、東京都・愛知県・大阪府の従前の都市農業振興施策の比較に着いて日本地域政策学会第15回大会で発表した。29年3月に三大都市圏の都府県の「都市農業振興基本計画」の策定状況を把握した。これをふまえ、本年7月に開催される日本地域政策学会第16回大会において、神奈川県・愛知県・兵庫県の「都市農業振興基本計画」の比較について発表予定である。 ③については、東京都清瀬市・東久留米市における現地調査を行い、29年3月『地域研究』で公表した。大阪府については八尾市・堺市について現地調査を行っており、八尾市については29年6月に立正地理学会で、堺市については29年9月に地域活性学会で、それぞれ発表し、その後に論文投稿する予定である。 このように、本研究は、都市農業振興基本法が施行した27年4月以降の都府県の動向を捉えつつ、市レベルでの現地調査を行い、同法制定の理念が実現することに寄与すべく調査・研究を進めた。
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