研究課題
研究活動スタート支援
本研究は、近代日本の工業化に貢献した泊園書院出身実業家の分布状況および実践内容を把握するとともに、彼らの人格形成に影響を与えたと考えられる院主藤澤南岳の実業思想および近代理解を分析したものである。考察の結果、明治期の泊園書院には企業勃興期に資産を形成した大阪商人および地方地主が多数在籍していたが、武士出身の本多政以、農民出身の尾中郁太、商人出身の永田仁助については、彼らは南岳が創立した儒教振興団体・大成教会の会員であるとともに南岳の文明、科学、宗教観に近い考え方をしていたことが明らかとなった。
日本漢学